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日本センチュリー交響楽団 楽員ブログ

第155回 定期演奏会終了!&木川博史氏ご紹介

 先日の第155回定期演奏会には、たくさんのお客さまにおいでいただき、ありがとうございました。

実は今回、前半のモーツァルト、降り番だったので客席で聴いていたのですが、身内の演奏というのは、お客様にどのように聴いていただいているのか?というほうが気になって、あまりゆったりと聴けませんでしたが、曲の最後のほうには引き込まれて、終わったらやはり純粋に聴衆の気持ちになって拍手を送りました。

ルトスワフスキのほうは、本番までいろいろ試行錯誤がありましたが、聴いてくださった方に、この作品の素晴らしさが伝えることができたのではないかと思います・・。M.S


さて、このリハーサル中に新しいメンバーの1人にインタビューしました。
1番ホルンのホープ・木川博史くんをご紹介いたします。(インタビュアー:C.Y)
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Q. 出身は、関西ですか?

A.いいえ、根っからの関東人で、出身は千葉県習志野市です。


Q. ホルンを始めたのは、いつからですか?

A. そのころ通っていた小学校のオーケストラ部がホルンとの出会いでした。ですので、はじめたのは9歳(小4)です。2歳年上の兄も演奏するこのオケ部の演奏を聴きに行った時の曲目がベートーベンの運命でした。


Q. オーケストラの中で「ホルン」を選んだのはどうして?

A. 兄はトランペットだったのですが、それより目立つ第1楽章の第2主題のホルンパートを聴いて、「これしかないっ!!!!」と決めました。当時からいい体格で、恩師佐治先生の勧めもあってすんなりと決まりました。


Q.小学校からオーケストラってすごいですね。

A. そうなんですけど、入部したものの楽譜は読めかったですね。楽器のことはなおさらでした。兄から色々教わって、それから自分で研究、とにかく運命交響曲の「出会いのメロディー」を吹きたい一心でした。

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Q. 管楽器の人って、吹奏楽部出身が多いですよね?

A. なので、実はブラスの経験がないんです。


Q. 珍しいですよね!!木川君は体格いいけど、今は何かトレーニングしてるでしょ?

A. 特に何もしてません。小さい頃から野球はしていましたが。


Q. そうなんだ。いつも笑顔が爽やかだものね。それでは最後にお客さんへ一言。

A. いつも楽しく演奏しようと心がけているので、聴いてくださるお客さんへ、その楽しさが伝わったらいいなと思ってます。

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# by century_osaka | 2010-10-20 12:40 | インタビュー

第154回 定期演奏会 リハーサル

まずはルトスワフスキの「管弦楽のための協奏曲」。
いわゆる現代曲としてはかなりメジャーな作品で、耳にする機会も少なくないように思われます。センチュリーでは今回初めて取り上げますが、練習が進むにつれ、やはり有名になるだけの理由がある作品だと強く納得した次第です045.gif名曲です…傑作です! この曲が持つ「訴える力」みたいなものを是非会場で体験して頂きたいと思います。


小泉監督とはこれまでヒンデミットやブルックナー等、大きな作品を演奏してきましたが、今回もアツく厳しいアプローチは健在です。非常に小さい音から物凄い大音響まで、単に音量の問題でなく、ささやきやシラブルや叫びといった意味を伴った要求を常にされます。オーケストラのための協奏曲ですから、それぞれの楽器は音にするだけでも大変な技量が求められます… 難曲ですが、この曲の力をしっかりと伝えられるよう頑張りましょう!066.gif

さてもう一つの難曲モーツァルト、K.334のディヴェルティメント。最上質の遊び心満載の天衣無縫の奇跡のような曲ですね…!。

オーケストラの定期でこの曲を取り上げるのは、ある意味チャレンジかも知れません…小泉監督の思い入れもかなりのものとお見受けしました。2本のホルンと、第1ヴァイオリンから10-8-6-4-2という人数で今回は演奏しますが、なんと言っても第1ヴァイオリンが徹頭徹尾最初から最後まで協奏曲のソロさながらの活躍をするそのパートを、10人で弾いちゃうわけですよ!
シビレます!!009.gifここで多くを語りますまい…信じて祈っています。


ここで最後に個人的なルトスワフスキの思い出を記します。
1993年だったと思いますが、氏が「京都賞」を授与された時に、彼の弦楽四重奏を僭越ながら演奏させて頂いた事があるのです。あまりの緊張で演奏内容は殆ど覚えていないのですが、演奏後のパーティーでルトスワフスキ氏からお褒めの言葉を掛けて頂き、舞い上がるような嬉しい気持ちになりました032.gif

氏は大変穏やかな紳士で、体はさほど大きくはなかったのですが非常に強いオーラにつつまれていました。思慮深く美しい眼差しが忘れられません。

H.T
# by century_osaka | 2010-10-19 22:06 | リハーサル日記

第155回定期演奏会ご案内



音楽監督=小泉 和裕氏の指揮で、ヴィトルド・ルトスワフスキの代表的作品「管弦楽のための協奏曲」と意外に演奏する機会の少ないモーツァルトの名曲「ディヴェルティメント第17番」を取り上げます。ルトスワフスキの作品は「葬送曲・バルトークの想い出のために」を第3回定期演奏会で演奏して以来になります。


ヴィトルド・ルトスワフスキ(1913-1994)はポーランドで生まれ、そこで生涯を送った作曲家です。同時代のポーランドの作曲家にはシマノフスキ、ペンデレツキがいます。ルトスワフスキの作風は大きく3つの時代に分ける事が出来、第1期はシェーンベルク、バルトーク、ストラヴィンスキーからの作曲様式に影響を受けた時代、第2期はジョン・ケージ、ピエール・ブーレーズらのスタイルを「自己語法」として確立した時代(その代表作に「葬送曲」があります)、そして第3期は逆に「伝統的な作曲技法」へと移行し「交響曲第3番」などの代表作を次々に発表して行きました。

こう書くといかにもムズカシイ音楽と思われがちですが、この「管弦楽のための協奏曲」はシャープな切れ味のドラマティックな音楽になっています。

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# by century_osaka | 2010-10-08 19:58 | 演奏会情報

第57回 大津曳山コンサート


Oから始まる作曲家と曲を集めて

プログラム
ベートーヴェン 三重奏曲 Op.87
バッハ   オーボエダモーレ協奏曲より
篠原 真 オブセッション
エステン  人形の夢と目覚め 

他全9曲

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# by century_osaka | 2010-09-20 21:36 | 楽員のコンサート情報

突然のお別れに・・・・

突然のお別れに・・・・_f0003980_031911.jpg


奥田さん

少し昔のことを、思い出していいですか。

このオーケストラの入団オーディションの合格通知が来たか来ないか、そんな頃でした。
生徒だった私に、「おめでとう、一緒に弾けるから楽しみやわ」と電話を下さったのは。

それを境に「師弟」から「同僚」へ、「先生」と呼ばない呼ばれない、そんな関係へゆるやかに変移しながら、21年間。
来る日も来る日も、リハーサルも本番も、ほとんど常に、同じ譜面台の上の同じ譜面を一緒に弾き続けてきた私にとって、あなたの存在は、

時に山のように、時に雲のように、時に雪のように、時に嵐のように。
時に太い樹のように、時にその木陰のように。
時に親ライオンのように、時に巨象のように、時に同じ獲物を狙う狩りの競争相手のように。
時に壁のように、時に岩のように、時に遠い砂丘のように。
時に「たんこぶ」のように、時に「気前の良い叔父さん」のように。
時に仙人のように、時にガキ大将のように。

見まごうことのないハッキリとした輪郭で、いつもそこにいてくれました。

そんなあなたが、数日前の夜にかかってきた一本の電話をきっかけに、翌日からのリハーサルに来ていませんでした。

チャイコフスキー 交響曲第6番 「悲愴」。

冒頭の5度の緊張。
あまい旋律、心地よいDの開放弦。
長く続くフォルテ・フォルテ・フォルテのF♯のトレモロ・摩擦。肩の痛み。

ワルツを踊れるような5拍子、ピツィカート。
ティンパニと一緒にD音のオスティナート。

1小節12個の音が弓に跳ねる、スケルツォ。
ひとつひとつ全弓ではじき出すような、マーチ。輝く。興奮。

終結部、トロンボーンのコラールを待って、コントラバスが唸る重い重い動機、その繰り返し。
そして最後の最後、デクレッシェンドの中で、あがくように、また何かと決別するように、ピツィカート。

曲を辿りながら、どの部分を思い出しても
「奥田さんだったら、きっとこんなふうに」と
あなたの弾く姿を、我々はくっきりと目に浮かべることができるのに。


こんなに突然にいなくなってしまうなんて。


でも奥田さん、リハーサルでは会えなかったけれど、
今夜の定期は、もちろんあなたの演奏会でもあります。
我々は、歯を噛み、空を掴み、涙をこらえて、あなたを悼みます。


どうか安らかに。安らかに。


2010年9月16日
コントラバス 内藤謙一



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# by century_osaka | 2010-09-16 00:32 | 楽屋裏