マルティヌーの作品に接すると私はいつも何とも不思議な感覚に襲われます。
どこか不条理でやるせない世界にいきなり放り込まれて、否応なしに出口を求めてもがいている…。常に不安がつきまとうけれどもふとした瞬間に美しく爽やかな気分が訪れるみたいな感じとでも言いましょうか…
同世代の同郷の作家カフカの小説を読んだ時と似たような感覚なのです。もちろん先入観はあると思いますが…、異常な世界にあると極正常で単純な和音が異様に美しく響く…といった差異が不思議な感覚の起因となっているのも知れません。
今回の指揮者スワロフスキーさんは、そういった所謂観念的 なコトは一切仰らずに徹底的に実質のディテールの語り口から作って行かれました。それはマルティヌーに限らずグリンカもハチャトーリャンも旋律で自然に美しく語るようにという強い信念を感じました。
彼は初日から大変フレンドリーで、練習前と修了後にはコンマスのみならず最前列の弦楽器全員と握手をかわします!またお話し好きなようで、よく通る声でテンポよく話します。指示を出した後、曲の途中から始める時などよく「Come on!」とノリよく仰るので、こちらもノッていけます!

ソリストのバーエワさんは若くして輝かしい受賞歴をお持ちですが、成る程…さすが、納得です。特に第3楽章など驚異的であります。
また彼女の音楽、顔立ち、スタイル、立ち姿、弾く姿、すべてが非常に美しいのです。
ぜひ会場で生のバーエワさんを見て演奏を堪能して下さい!
H.T