若き俊英=アラン・ブリバエフさんの2度目の定期公演初登場です。
2009年2月6日の「第138回定期」ではオハコの「オール・ロシア・プログラム」でその才能を十全に発揮、絶賛を博し、再度の来演が待望されていました。今回の曲目はうって変わって「オール・フランス・プログラム」となりました。
ドビュッシーが「印象派の代表作」と呼ばれるまでに名声を高めた交響詩「海」は「3つの交響的スケッチ」とも呼ばれ、彼が「音楽家になっていなかったら水夫になっていた」というほど幼少期から親しみ、戯れてきた海への憧れを描いたものです。
この作品のスコアの表紙には葛飾北斎の浮世絵「富嶽(ふがく)三十六景・神奈川沖の裏」が使用されているのも誠に興味深いことです。
「牧神の午後への前奏曲」では、牧神の象徴「パンの笛」を前回ブログ記事でご紹介しました
ニューフェース永江真由子さんが演奏します。ブリバエフさんの「音の色彩感覚」とあわせてお楽しみください。
最後に演奏される、ラヴェル「ラ・ヴァルス」は「管弦楽のための舞踊詩」と位置付けられていますが、ラヴェル自身はヨハン・シュトラウス2世へのオマージュ(賛辞)として「交響詩風のウィンナ・ワルツを書きたかった」と言っています。
すばらしいバトン・テクニックは勿論、五ヶ国語を流暢に操るブリバエフさんが今回のメインに「音のエスプリ」と言える「ラ・ヴァルス」を選んだのは、至極当然なのかも知れません。
一方、サン=サーンス「ピアノ協奏曲 第2番」でご登場頂くのはレバノン出身で作曲家でもある、アブデル・ラーマン=エル・バシャさんです。パリ音楽院在学中はピアノの他に室内楽・和声法・対位法で首席を獲得され、エリザベート王妃国際コンクールでは19歳で入賞という華麗な経歴をお持ちです、またその幅広いレパートリーには瞠目するばかりです。極めて洗練されていながらも意外に演奏されないこの作品を、エル=バシャさんは素晴らしい感性でご披露されると思います。
今回も楽員一同、心を込めて演奏致します。皆様方多数の御来場を、心よりお待ち申し上げます!
A・A
第158回 定期演奏会
2011年2月10日(木) 19:00開演(18:00開場)ザ・シンフォニーホール
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
C.Debussy:Prélude à "L'après-midi d'un faune"
サン=サーンス:ピアノ協奏曲 第2番 ト短調 作品22
C.Saint-Saens:Concerto for Piano and Orchestra No.2 in G minor, Op.22
ドビュッシー:交響詩「海」
C.Debussy:Symphonic Poem "La Mer"
ラヴェル:管弦楽のための舞踏詩「ラ・ヴァルス」
M.Ravel:"La Valse" Choreographic Poem for Orchestra
指揮:アラン・ブリバエフ
ピアノ:アブデル・ラーマン・エル=バシャ
料金(税込・全席指定)
A席…6000円
B席…4500円
C席…3000円
D席…1000円 完売
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