音楽監督=小泉 和裕氏の指揮で、ヴィトルド・ルトスワフスキの代表的作品「管弦楽のための協奏曲」と意外に演奏する機会の少ないモーツァルトの名曲「ディヴェルティメント第17番」を取り上げます。ルトスワフスキの作品は「葬送曲・バルトークの想い出のために」を第3回定期演奏会で演奏して以来になります。
ヴィトルド・ルトスワフスキ(1913-1994)はポーランドで生まれ、そこで生涯を送った作曲家です。同時代のポーランドの作曲家にはシマノフスキ、ペンデレツキがいます。ルトスワフスキの作風は大きく3つの時代に分ける事が出来、第1期はシェーンベルク、バルトーク、ストラヴィンスキーからの作曲様式に影響を受けた時代、第2期はジョン・ケージ、ピエール・ブーレーズらのスタイルを「自己語法」として確立した時代(その代表作に「葬送曲」があります)、そして第3期は逆に「伝統的な作曲技法」へと移行し「交響曲第3番」などの代表作を次々に発表して行きました。
こう書くといかにもムズカシイ音楽と思われがちですが、この「管弦楽のための協奏曲」はシャープな切れ味のドラマティックな音楽になっています。
曲は「イントラーダ(序曲)」「カプリッツィオ(スケルツォ)」「パッサカリア」の全3楽章。
「第1回・ワルシャワの秋国際現代音楽祭」(1956年)」に名指揮者、ヴィトルド・ロヴィツキの手で初演、絶賛を博しました。
この名曲をドイツ=オーストリアの正統的な音楽やロシア=ソヴィエトの作曲家の優れた作品を元々自己の手中に収めていた音楽監督=小泉氏が、大阪センチュリーとどの様なルトスワフスキを創り上げるのかにご注目下さい。
もう一曲のプログラム、モーツァルト「ディヴェルティメントK.334」は数あるこのジャンルでも殊更すぐれた作品と言っても過言ではありません。
「ディヴェルティメント」とは「喜遊曲」と訳され、18世紀中頃に現れたスタイルの音楽ですが、ハイドンが作曲してからはモーツァルトは勿論、シューベルトや近代フランスのルーセル、イベール、ロシア生まれのストラヴィンスキー、ハンガリー生まれのバルトーク、更にはパーシケッティやバーンスタインも発表しています。
しかしモーツァルトはこの「ディヴェルティメント形式」を自由自在に作風のスタイルを拡げ、弦楽合奏に2本のホルンを加え、更には洗練された「フランス・パリ様式」も取り入れた、数あるモーツァルトのディヴェルティメントの中の集大成でもあります。
とかくモーツァルトと言うと「オペラ!交響曲!」と想い起こされがちですが、この様な「室内楽的作品」も「天才モーツァルトの技」であります。演奏時間が45分を要する大作ですが、小泉氏=センチュリーがどの様な表現と響きをご披露するかご期待下さい。
今回も楽員一同、心を込めて演奏致します。皆様方の御来場を、心からお待ち申し上げます。
A・A
2010年10月21日(木) 19:00開演(18:00開場) ザ・シンフォニーホール
第155回 定期演奏会
モーツァルト:ディヴェルティメント ニ長調 K.334
W.A.Mozart:Divertimento in D major, K.334
ルトスワフスキ:管弦楽のための協奏曲
W.Lutosławski:Concerto for Orchestra
指揮:小泉 和裕(大阪センチュリー交響楽団音楽監督)
料金(税込・全席指定)
A席…6000円
B席…4500円
C席…3000円
D席…1000円 完売
お問い合わせ:大阪センチュリー交響楽団チケットサービス
06-6868-0591
(午前10時~午後6時・土日祝を除く)
その他のチケット取扱い場所
・ABCチケットセンター(ザ・シンフォニーホール)
・電子チケットぴあ
・ローソンチケット