松尾芭蕉といえば言わずと知れた俳句の大家であり、日本人なら幾つかの句を空んじられる方も多いでしょう。代表作奥の細道で有名な「日々旅にして旅をすみかとす」漂泊の俳人ですが、その生涯を大阪で終えた事を知る人は案外少ないのではないでしょうか? 1694年秋、大阪で没する直前の芭蕉の絶唱となる14句を基に、高橋悠治氏が大阪センチュリーのために作曲して下さったのが、今回世界初演となる「1694大阪」です。
楽譜には幾つかの音の断片とパート楽器の指示、それに矢印が書いてあるのみで、奏者は
自律的に演奏を行わなければなりません。また、弦楽器は弓の毛を緩めたまま、管楽器はアタックやタンギングをせずに音を出すようにと最初のページに書かれています。
練習初日から高橋悠治氏が来られて、奏法や概念などを説明して下さいました。それは実に独特で興味深く面白い内容でした!
さて指揮者は今回進行役に徹します。
皆同じスコアを見ての演奏なので、指揮者は奏者のやりとりを見計らって次へ行く指示を出します。
作曲者いわく
「人格が必要」
だということです。
またこの作品では14曲それぞれの冒頭に「句を音読する」という大変重要な役割を指揮者が担わなければなりません!どのようなイントネーションで読んだらいいのかネイティブ大阪人に見本を聞かせて貰ったりとなかなか苦心なさっておられます。沼尻さん、物凄く期待しています!!
メンデルスゾーンは二日目からソリストと合唱が入っての練習となりました。テキストは旧約聖書のドイツ語なのですが、その発音や詩の言葉の雰囲気の表現など丁寧にまたエネルギッシュに創っていかれました。
沼尻さんとの演奏曲はここのところ「神」や教会に関するものがなぜか多いのですが、メンデルスゾーンが渾身の力と敬虔な祈りを込めて書いたであろうこの「神を讃える歌」において、我々もひとつ高みへ昇れることを祈ります。
H.T