春は名のみの冷え込んだ昨夜、冷たい風にも関わらず、たくさんのご来場ありがとうございました。おかげさまで、2回にわたる創立20周年記念特別演奏会を無事終了することができました。
今回は、特殊な編成と曲の構成や、非常に大掛かりな舞台装置や照明などの演出も含めて、いつもの演奏会とまったく異なる趣でお届けしました。お楽しみいただけましたでしょうか?
演奏終了後、フランスからはるばる来ていただいた俳優のお二人とマエストロの楽屋にお邪魔しました。
ジャンヌ・ダルク役のカティア・レフコヴィッチさん。
とまどい、悩み、のちに気づくジャンヌ。神の子として誇り高く使命を感じながらも、人の子として苦しみ、そして天に召されるジャンヌ。轟然たる群衆や(極めてアイロニカルに描かれる)自身をめぐるさまざまな出来事を経て変化していくジャンヌを、美しく・強く演じられました。
修道士ドミニク役のミシェル・ファヴォリさん。
名盤として名高いセルジュ・ボド氏指揮の録音でもこの役を演じておられます。幾度にもわたるリハーサルを、常に非常に高い集中力でこなされ、その存在感はリハーサル全体の空気を高めてくださったように感じます。
首席客演指揮者の沼尻竜典さん。
今回のリハーサルも、細部から大局に至るまでスコアをていねいに音に起こしていく作業を続けながら、そのイメージを我々に伝える言葉・しぐさ・例えが的確でなおかつかなり愛らしくて、「緊張感」と「リラックス」が頻繁に交代したり共存したりする、とても充実した時間を作ってくださいました。
ここ数年、秋には芸術監督を務めておられるびわ湖ホールのピットで演奏する機会(それも非常に難しい演目ばかり…!)をいただいている我々ですが、本番前日のザ・シンフォニーホールでのリハーサルのときには通常の演奏会というよりむしろオペラなどの舞台に参加しているように感じました。本番での美しい装置やスクリーンの映像、そして照明の変化などもあって、皆さんにも「劇的な」雰囲気を感じていただけたのではないでしょうか。
今回の「ジャンヌ」と前回の「第九」。2回の大きなプロジェクトに関わってくださった全ての方々と、そしてもちろん誰よりも、お聴きくださった皆さん・いつも応援してくださる皆さんに、楽員一同深く感謝いたします。ありがとうございます。
やっとはたちを越えた大阪センチュリー交響楽団を今後とも可愛がっていただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。