日本センチュリー交響楽団 楽員ブログ

カテゴリ:リハーサル日記( 56 )

第158回定期 リハーサル日記

今回はフランスの超名曲'揃い踏みといったプログラムです。

指揮はちょうど二年ぶりの登場となるブリバエフさん。
前回はロシアもので大変好評を博しましたし、リハーサルもとても面白かったので、今回も楽しみにしていました。

2日目の練習を終えて、いろんな面で更にグレードアップしている!という印象です。的確で分かり易い指示の出し方は今回も変わりませんが、フランスものの深く豊富なイメージの捉え方や緻密な骨格の上での柔軟な音楽作り、音の密度や音色の空気感など、実に多彩で高い理想が見えます。私などは、洗練されたニュアンスの要求をされると、なんだか贅沢な気分になってしまうのですが、それは普段いかに神経使わず杓子定規にしか弾いてないかってコトですよね…反省042.gif

またブリバエフさん、上手くいった時には「めっちゃスバラシイ!」「めっちゃスゴイ!」と日本語で仰います。どこで覚えて来たのでしょうか・・きゅうけい(休憩)」も、めっちゃ素晴らしい発音でした!038.gif


さて今日は協奏曲の合わせもありました。ピアノのエル=バシャさんとは初共演となります。失礼ながら私は全く存じ上げなかったのですが、いやぁ吃驚しました…凄いです!タッチがクリアーで美しく、サン=サーンス独特の洒脱な軽やかさが際立っています。白眉です。是非ともお聴き逃しの無きよう…!


H.T
[PR]
by century_osaka | 2011-02-09 21:36 | リハーサル日記

157回 定期演奏会リハーサル

マルティヌーの作品に接すると私はいつも何とも不思議な感覚に襲われます。

どこか不条理でやるせない世界にいきなり放り込まれて、否応なしに出口を求めてもがいている…。常に不安がつきまとうけれどもふとした瞬間に美しく爽やかな気分が訪れるみたいな感じとでも言いましょうか… 008.gif

同世代の同郷の作家カフカの小説を読んだ時と似たような感覚なのです。もちろん先入観はあると思いますが…、異常な世界にあると極正常で単純な和音が異様に美しく響く…といった差異が不思議な感覚の起因となっているのも知れません。

今回の指揮者スワロフスキーさんは、そういった所謂観念的 なコトは一切仰らずに徹底的に実質のディテールの語り口から作って行かれました。それはマルティヌーに限らずグリンカもハチャトーリャンも旋律で自然に美しく語るようにという強い信念を感じました。

彼は初日から大変フレンドリーで、練習前と修了後にはコンマスのみならず最前列の弦楽器全員と握手をかわします!またお話し好きなようで、よく通る声でテンポよく話します。指示を出した後、曲の途中から始める時などよく「Come on!」とノリよく仰るので、こちらもノッていけます!024.gif

f0003980_11312026.jpg

ソリストのバーエワさんは若くして輝かしい受賞歴をお持ちですが、成る程…さすが、納得です。特に第3楽章など驚異的であります。

また彼女の音楽、顔立ち、スタイル、立ち姿、弾く姿、すべてが非常に美しいのです。
ぜひ会場で生のバーエワさんを見て演奏を堪能して下さい!



H.T
[PR]
by century_osaka | 2010-12-10 11:32 | リハーサル日記

第156回定期 リハーサル日記

急に冷え込んできた今日この頃、練習場近辺も紅葉が始まっています。風邪を引いている人も多いようですが、体調管理もこの時期本当に大変ですね…! 045.gif
f0003980_9252979.jpg


さて、リハーサルも最終日、今日はショパンの合わせがありました。ピアニストのエヴァ・クピークさんとは初共演となりますが、実にエレガントで美しく知的なショパンを聴かせて下さいました。テンポや音色の変化、ルバートの仕方など自由自在に音符を操って、ショパンがこの曲に込めた思いを紡ぎ出していきます。その語り口が本当に自然でしかも雄弁なので、なるほどそうなのか!と改めて納得する箇所が沢山ありました。この曲はつい最近同じくポーランド人のブレハッチさんとも共演しましたから、今年こうして素晴らしいソリストと相次いで演奏出来るのは幸せな事です。


シューマンの交響曲第二番はあまり演奏されない曲として有名ですが、センチュリーは何度もやっていますね…? 分裂症的とも言われますが、この曲のコアなファンは結構多いと思われます。沼尻さんは、一筋縄ではいかないこの曲を独特の表現で作っていかれます。曰く、ひねくれ感,悶え感,もっと虐めて感,斜に構えて感,勢いと推進力でイケイケ感,昔の横浜線の車両感… みたいな言葉を用いておられました。


どの楽章のどの部分かはぜひ演奏会場でご確認(ご想像)下さいませ…026.gif


H.T
[PR]
by century_osaka | 2010-11-18 09:22 | リハーサル日記

第154回 定期演奏会 リハーサル

まずはルトスワフスキの「管弦楽のための協奏曲」。
いわゆる現代曲としてはかなりメジャーな作品で、耳にする機会も少なくないように思われます。センチュリーでは今回初めて取り上げますが、練習が進むにつれ、やはり有名になるだけの理由がある作品だと強く納得した次第です045.gif名曲です…傑作です! この曲が持つ「訴える力」みたいなものを是非会場で体験して頂きたいと思います。


小泉監督とはこれまでヒンデミットやブルックナー等、大きな作品を演奏してきましたが、今回もアツく厳しいアプローチは健在です。非常に小さい音から物凄い大音響まで、単に音量の問題でなく、ささやきやシラブルや叫びといった意味を伴った要求を常にされます。オーケストラのための協奏曲ですから、それぞれの楽器は音にするだけでも大変な技量が求められます… 難曲ですが、この曲の力をしっかりと伝えられるよう頑張りましょう!066.gif

さてもう一つの難曲モーツァルト、K.334のディヴェルティメント。最上質の遊び心満載の天衣無縫の奇跡のような曲ですね…!。

オーケストラの定期でこの曲を取り上げるのは、ある意味チャレンジかも知れません…小泉監督の思い入れもかなりのものとお見受けしました。2本のホルンと、第1ヴァイオリンから10-8-6-4-2という人数で今回は演奏しますが、なんと言っても第1ヴァイオリンが徹頭徹尾最初から最後まで協奏曲のソロさながらの活躍をするそのパートを、10人で弾いちゃうわけですよ!
シビレます!!009.gifここで多くを語りますまい…信じて祈っています。


ここで最後に個人的なルトスワフスキの思い出を記します。
1993年だったと思いますが、氏が「京都賞」を授与された時に、彼の弦楽四重奏を僭越ながら演奏させて頂いた事があるのです。あまりの緊張で演奏内容は殆ど覚えていないのですが、演奏後のパーティーでルトスワフスキ氏からお褒めの言葉を掛けて頂き、舞い上がるような嬉しい気持ちになりました032.gif

氏は大変穏やかな紳士で、体はさほど大きくはなかったのですが非常に強いオーラにつつまれていました。思慮深く美しい眼差しが忘れられません。

H.T
[PR]
by century_osaka | 2010-10-19 22:06 | リハーサル日記

ナショナル・エディションによるショパン

f0003980_9345731.jpg
f0003980_935820.jpg


練習初日、あまりにショックな出来事で沈んだ空気を、ピアニストの中野 翔太さんの演奏で少し救われた気分になりました。

M.S
[PR]
by century_osaka | 2010-09-15 09:35 | リハーサル日記

上海公演 牛牛のショパン合わせ。

7月29日(木)、万博会場ちかくのホールにて上海公演を行いました。
画像は、その練習風景です。(センチュリーハウスにて7月25日)
ソリストは、若干13歳の中国人、牛牛(ニュウニュウ)。
彼のショパンは、今週日曜日のびわ湖定期公演でも聴くことが出来ます。

f0003980_20572318.jpg



2010年8月8日(日) 15:00開演(14:15開場) びわ湖ホール(大ホール) 発売中

More
[PR]
by century_osaka | 2010-07-26 20:58 | リハーサル日記

153回 定期演奏会リハーサル

初日の練習と同じく本日も「ハムレット」から始まりました。
小泉さんとは4月に「リア王」をやりましたから、シェークスピア・シリーズということで、なかなかツウ好みのプログラムですね045.gifリストといえば交響詩の創始となる「レ・プレリュード」が有名ですが、この「ハムレット」も、自由な中に登場人物や物語のエッセンスを凝縮したような如何にもリストらしい作品になっていると思います。


さてメインのショスタコーヴィチ第五番。有名な傑作ですが、センチュリーではこれまで片手で数えられる位しか演奏してないんですよね…026.gif
しかし久々のショスタコーヴィチの交響曲、いやぁ~燃えますね!梅雨でなまりがちの身体と楽器にカツを入れ、魂を込めて演奏したいと思います。否応なく人をを引き込む魅力があります.
この曲には小泉さんもいつにも増して熱く厳しいリハーサルです。特にテンポの安定性やリズムの正確さには決して妥協を許しません。しかもその中で充分に音楽的にうたいながらアンサンブルをしなければなりませから、かなり神経を使いますね…042.gif毎日蒸し暑いですが、しっかり鋭気を養って本番に備えましょう!


今日は最後にブルッフの合わせもありました。ソリストの米元響子さんとは2回目の共演となりますが、実に素敵なブルッフを聴かせて下さいました038.gif素晴らしい音色で、どんな細かい音もクリアーに響かせます。本番がとても楽しみです!

H,T
[PR]
by century_osaka | 2010-07-13 23:06 | リハーサル日記

第152回 定期演奏会リハーサル

今開催中の上海万博が世界中の注目を集めていますが、その上海から上海音楽界をリードする若き権威、張國勇さんをお招きしての今回の定期公演です。張さんとは初顔合わせとなりますが、逞しい体にポロシャツをサラリと着こなした姿は、凛として精悍な印象です。


最初の練習はお国モノの「瑶族舞曲」から始まりました。
中国民謡ということで、我々のイメージどおりのいかにも中国!といった感じの曲で、まず挨拶としてコンサートの幕開けには最適だと思われます。短い曲ですが流石にお国モノだけあって、微妙なポルタメントやリタルダンドのかけ方など本場の味を伝授して頂きました。


「ドボ8」は超有名な名曲で、数え切れない程演奏し、聴きましたが、張さんは実に正攻法のアプローチで、書かれている事を当たり前に作り上げていかれます。「そんなの当然のコトだろ!!」とツッコミが入りそうですが、しかしその「当たり前の事を当たり前にやる」ことが、実はなかなかできていないものなのですね…!音の強弱やテンポなど、ごく基本的な事でさえ幾度も演奏しているうちに知らず知らずクセが付いていて慣例化してしまっているものなのだと、張さんのリハーサルでまさに目からウロコが落ちた思いです 009.gifまた音の出し方や響きにもより神経を使わなければならないと改めて感じました。

とにかく自然で正直で清潔で情熱的な「ドボ8」だと私は思っています。きっと聴衆の皆さんにも名曲の再認識をして頂けるものと確信しています!


さて、名手ディミトリ・アシュケナージさんをお迎えしてのコンチェルトは、コープランドのクラリネット協奏曲。楽器の特性を遺憾なく発揮させるこの曲を、アシュケナージさんは実に美しく軽やかに楽しそうに吹ききっておられました。いやぁ~凄いです! 038.gif

ワイルド系イケメンといった風情のアシュケナージさん、その演奏を聴いたら「惚れてまうやろ~016.gif」となるコト必至です!またこの曲は弦楽器とハープ,ピアノで伴奏するのですが、サティのような静かな始まりからやがてカデンツァとなり、その後拍子やリズムが複雑に入り組んだ如何にもコープランドらしいトリッキーな速いパートへ突入します。急きょ初日からのオケ練習となった事からも、その難しさが伺えるでしょう…しかし聴衆にそんな必死さを悟られてはなりません。本当に楽しく面白い曲なのですから!024.gif


H.T
[PR]
by century_osaka | 2010-06-16 21:34 | リハーサル日記

第151回 定演リハーサル

松尾芭蕉といえば言わずと知れた俳句の大家であり、日本人なら幾つかの句を空んじられる方も多いでしょう。代表作奥の細道で有名な「日々旅にして旅をすみかとす」漂泊の俳人ですが、その生涯を大阪で終えた事を知る人は案外少ないのではないでしょうか? 1694年秋、大阪で没する直前の芭蕉の絶唱となる14句を基に、高橋悠治氏が大阪センチュリーのために作曲して下さったのが、今回世界初演となる「1694大阪」です。


楽譜には幾つかの音の断片とパート楽器の指示、それに矢印が書いてあるのみで、奏者は自律的に演奏を行わなければなりません。また、弦楽器は弓の毛を緩めたまま、管楽器はアタックやタンギングをせずに音を出すようにと最初のページに書かれています。

練習初日から高橋悠治氏が来られて、奏法や概念などを説明して下さいました。それは実に独特で興味深く面白い内容でした!

さて指揮者は今回進行役に徹します。

皆同じスコアを見ての演奏なので、指揮者は奏者のやりとりを見計らって次へ行く指示を出します。
作曲者いわく「人格が必要」045.gifだということです。

またこの作品では14曲それぞれの冒頭に「句を音読する」という大変重要な役割を指揮者が担わなければなりません!どのようなイントネーションで読んだらいいのかネイティブ大阪人に見本を聞かせて貰ったりとなかなか苦心なさっておられます。沼尻さん、物凄く期待しています!!053.gif


メンデルスゾーンは二日目からソリストと合唱が入っての練習となりました。テキストは旧約聖書のドイツ語なのですが、その発音や詩の言葉の雰囲気の表現など丁寧にまたエネルギッシュに創っていかれました。

沼尻さんとの演奏曲はここのところ「神」や教会に関するものがなぜか多いのですが、メンデルスゾーンが渾身の力と敬虔な祈りを込めて書いたであろうこの「神を讃える歌」において、我々もひとつ高みへ昇れることを祈ります。032.gif


H.T
[PR]
by century_osaka | 2010-05-12 14:54 | リハーサル日記

第151回 定期演奏会 ご案内



首席客演指揮者=沼尻 竜典氏の登場です。
メンデルスゾーン(1809-1847)の交響曲 第2番は百数十回を越えた定期公演でも今回が初めての演奏となりました。
      
彼の代表的な作品としては、ヴァイオリン協奏曲・交響曲第3番「スコットランド」第4番「イタリア」や劇音楽「真夏の夜の夢」が挙げられます。
しかし、この第2番は前述の曲よりも遥かに楽器編成が大きく、ソプラノ独唱・メゾソプラノ独唱、テノール独唱、更に混声合唱を伴なった作品になっています。事実、メンデルスゾーン自身が「交響的カンタータ」と呼んでいる位、一般的な交響曲とは形を異にし、ベートーヴェンの交響曲第9番から作風上相当の影響を受けた形跡が感じられます。

この労作=大作を手掛ける沼尻氏が「声楽を伴なったオーケストラ作品」を得意としている上で、今回も優れた声楽陣と共に美しいメンデルスゾーンの「音世界」へと皆様を誘います。  

More
[PR]
by century_osaka | 2010-05-04 21:26 | リハーサル日記