日本センチュリー交響楽団 楽員ブログ

第141回定期演奏会

[燕尾服にマスク]

一週間休校だった学校もすでに授業は再開されていますが、町中では大分減ったとはいえまだまだマスク姿の人が多く、客席にもマスク姿がちらほら見られました。
終演後私達メンバーはロビーで恒例のお客様お見送りとファンクラブ勧誘をしたのですが、シンフォニーホールからの指示で全員マスク着用でのお見送りでした。我々は燕尾服もしくはドレス姿でしたから、些か奇妙な風体でしたが人の集まる所ではマスク着用というのが目下大阪での公共の場での基本ルールですから致し方ありません。

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今回の第141回定期の指揮者は弱冠28歳のブルガリア出身ロッセン・ゲルゴフ。

若いだけにディテールに徹底的にこだわった緻密な練習を三日間みっちり積んで来ました。

その甲斐あって演奏会本番でも段取りをきちんとこなしてアンサンブル的にバランスや縦の線をすっきり見通しの利いた、音楽の輪郭のはっきり浮き上がる演奏ができたと思います。
将来が楽しみな指揮者です。






ヴァイオリン独奏のホーネックは、モーツァルトの協奏曲では弦楽器の弓使いや唄い方についてゲネプロまで我々に直接指示が飛びました。ちょっとした伴奏パートの弾き方なども見本を示してくれるのですが、それがとても分かり易くてウィーンフィルのコンサートマスターだけあって全て説得力があります。


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柔らかく均等に弾くだけでなく、どちらかというとエッジの利いたスピードと躍動感のある音作り。
私はウィーンの彼らの本拠地、ムジークフェライン大ホールでコンサートをした事があるのですが、響きはまろやかで美しい残響の素晴らしいホールですがあまりやさしく弾くと音楽の輪郭がぼやけてしまいます。
あのエッジの利いた輪郭のはっきりした音作りはあのコンサートホールの響きが関係しているのだと思います。

また伴奏だからと表情を押さえて弱く弾いていると、「退屈です」「もっと表情をつけて(more interesting sound)」と弱音の中のどんな音にでも表情を付けて弾く事を教えてくれました。



彼のヴァイオリン独奏は格別何か特別な事をしている訳ではないのですが、繊細で表情豊かな音。
モーツァルトを弾く喜びに溢れた本当に素晴らしい演奏でしたし、もちろん彼のストラディヴァリウスの美音も楽しめた至福の時でした。

モーツァルトは休憩前の演奏でしたが鳴り止まぬ拍手に応えて「もうすぐ来るハイドンの没後200周年記念日(2009年5月31日)に因んでハイドンのヴァイオリン協奏曲から第2楽章をお送りします」と今度は指揮者なしで我々の静かなピチカートの伴奏に乗せてアンコール。 今一度彼の極上の独奏を楽しめたのは幸せでした。

後半のストラビンスキー「妖精の口づけ」よりディヴェルティメント、はあまり演奏される事の無い曲でしたが、緻密な練習のお陰で細部まで綺麗に仕上がり、チャイコフスキーのバレー音楽からインスピレーションを得た彼の音楽をゲルゴフは見事に描き出していました。

全曲の一番最後、強奏によるラストの和音を弾ききった瞬間、私の弓が右側のコントラバスに思いっきり当たってしまいもの凄いノイズを出してしまいました。記録用録音があったのですが大丈夫だったかどうか心配です。 K.O.
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by century_osaka | 2009-05-29 22:48 | コンサートレポート
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